<1>タイル剥落と対話拒否をESGの文脈に変換する
まず、相手の行為がESGのどの項目に違反しているかを論理的に整理し、相手に突きつける「武器」を作ります。
S(社会)への重大な違反:製品・サービスの安全性と地域社会への脅威
タイル剥落は、居住者だけでなく通行人等第三者の生命・身体に危害を及ぼす可能性のある極めて危険な状態です。これを放置することは、「製品の安全性確保」および「地域社会の安全に対する企業の責任」の完全な放棄(Sの評価基準に直結)とみなされます。
G(ガバナンス)の欠如:コンプライアンス違反とステークホルダー対話の拒否
不法行為(瑕疵)を認識しながら対応しないことは、明白なコンプライアンス(法令遵守)違反です。
また、被害者や第三者機関(機構など)からの正当な協議要請を無視する姿勢は、「ステークホルダー・エンゲージメント(利害関係者との対話)」が全く機能していないことを示し、経営陣のリスクマネジメント能力や内部統制が問われます。
<2>アプローチの手法と窓口を変える
現場の担当者やカスタマーサポート、施工部門は「コスト削減」や「クレーム処理」の論理で動いているため、ESGの重要性を理解していないことが多々あります。アプローチの対象を「企業価値を気にする部門」へ切り替えます。
①IR(投資家向け広報)、サステナビリティ部門、監査役へ直接アプローチする
相手が上場企業や中堅以上の規模である場合、クレーム対応窓口ではなく、「サステナビリティ推進部」「IR部門」「コンプライアンス委員会」「社外取締役・監査役」宛てに書面(内容証明郵便など)を送付します。
現場レベルで握りつぶされている案件を、経営・ガバナンスの問題として上層部に認識させます。
②「クレーム」ではなく「ESG・ガバナンスに関する公開質問状」として送る
単なる「補修の要求」ではなく、機構(NPO等の第三者機関の立場)から、同社のESGに対する姿勢を問う「質問状」という体裁をとります。
【質問状の記載項目の例】
御社は統合報告書等で「安心・安全な住まいづくり」「地域社会への貢献(S)」を掲げておられるが、本件タイル剥落の放置はそれと矛盾しないか。
第三者への危害リスクがある瑕疵について、対話を拒絶するという対応は、御社のコンプライアンス規程やガバナンス(G)体制において正規の手続きとして承認されたものか。
本件が放置され、万が一第三者に危害が及んだ場合、経営陣はステークホルダー(株主・投資家)に対してどのように説明責任を果たすつもりか。
<3>外部の「目」を意識させる(情報開示のプレッシャー)
企業がESGで最も恐れるのは、自社のネガティブな情報が「投資家」や「社会」に認知され、レピュテーション(評判)リスクが顕在化することです。
①第三者機関としてのレポート公表を示唆する
機構のウェブサイト(https://gaiheki.sltcc.info/)や、関連する業界団体等において、「タイル剥落問題における各社のESG対応状況(対話への応諾姿勢など)」を調査・レポートとして公表する計画があることを伝えます。
「御社が本件に関してどのようなガバナンス体制で対応されるのか、その事実を当サイトの調査事例として記録・公開するにあたり、まずは御社の公式な見解を伺いたい」というアプローチは、強力なプレッシャーとなります。
②金融機関(融資元)への影響を匂わせる
もし相手が未上場企業であっても、銀行からの融資には「ESG評価(ESGローン)」が関わってくる時代です。
「重大な瑕疵を放置し、紛争解決の対話にも応じない企業姿勢は、SDGs/ESG経営を重視する昨今の金融機関の与信判断においても重大なマイナス要因になり得る」という客観的見解を伝えることで、経営リスクを認識させます。
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