判例

本件敷引特約は、消費者契約法 10 条により無効であるとされた事例

事件番号等

西宮簡易裁判所判決 平成19年2月6日

序文(事案の概要)

賃借人X(原告)と賃貸人Y(被告)は、平成16年3月22日に賃料月額13万5000円、敷金80万円、解約時敷引金50万円とする建物の賃貸借契約を締結し、Xは敷金を支払いました。

その後、Xは平成17年6月末に建物を明け渡し、本件の「敷引特約」は消費者契約法10条により無効であるとして敷金全額等の返還を求めて提訴しました。一方、賃貸人Yは特約は有効であると主張し、敷引金、原状回復費用(洗面台等の傷の修繕費)、水道料金の立替金を差し引いた残額のみを返還すべきであるとして争った事案です。

内容(判決の要旨)

消費者契約法の適用

法人である賃貸人Yは「事業者」、賃借人Xは「消費者」に該当し、仲介業者を通じた契約であっても消費者契約法が適用される。

敷引特約の無効

本件の敷引金(50万円)は敷金の約62.5%、賃料の約3.7倍と高額である。契約期間や損害の有無にかかわらず無条件で差し引かれるこの特約は、賃借人に対し一方的かつ不当に不利な内容であるため、消費者契約法10条に該当し無効である。

原状回復費用の棄却

争点となった洗面台の傷については、入居時からある程度の経年劣化があったと考えられ、賃借人Xの故意や過失によってつけられた傷とは認められない。

判決結果

裁判所は、敷金80万円から賃貸人Yが立て替えていた水道料金(5,169円)のみを控除し、残りの79万4,831円を賃借人Xへ返還するよう賃貸人Yに命じた。

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