空き家

【判例】空き家に関する判例

原告所有の土地に隣接する被告所有の建物が老朽化し、倒壊の危険が生じているとして、原告が被告に対して建物の修補等を求めた事案。

最高裁 平成29年3月22日

【概要】

所有権に基づく妨害予防請求権

【判決要旨】

所有者は、自己の所有する土地に隣接する他人の建物が倒壊の危険を生じる状態にあることを認識している場合、当該建物の所有者に対して修補等を求めることができる所有権に基づく妨害予防請求権を有する。

被告所有の空き家から倒壊したブロック塀が原告所有の土地に飛来し、原告の自動車を破損した事案。

最高裁 平成23年1月20日 

【概要】

土地工作物責任

【判決要旨】

土地の所有者は、自己の土地上に工作物を設置又は保存する場合、当該工作物から他人に損害が生じないよう、その工作物を適正な状態に維持する責務を負う。

被告所有の空き家が倒壊の危険があり、かつ、放置されているとして、原告である市が被告に対して建物の解体等を命じた事案。

最高裁 平成27年3月17日 

【概要】

行政代執行

【判決要旨】

行政庁は、建築基準法に基づき、危険な建物の所有者に対して建物の修補等を命じ、その命令に従わないときは、当該建物の解体等を代執行することができる。

共有名義の空き家が老朽化し、倒壊の危険が生じているとして、共有者の一人が他の共有者に対して建物の修繕等を求めた事案。

最高裁(最判平成26年2月3日)

【概要】

共有者による建物の修繕等

【判決要旨】

共有者は、共有物である建物の修繕等について、他の共有者と協議し、合意に基づいて修繕等を行うべき義務を負う。

被相続人の空き家が倒壊し、近隣住民に被害が発生した事案において、相続人が相続登記を怠ったことにより、被相続人の名義のまま放置されていたことが原因であるとして、近隣住民が相続人に対して損害賠償請求を行った事案。

東京地裁 平成27年9月24日 事件番号

【概要】

相続登記義務違反による損害賠償責任

【判決要旨】

相続人は、被相続人の財産である建物の所有権を取得したときは、遅滞なく相続登記を行う義務を負い、当該義務を怠ったことにより他人に損害を発生させた場合、損害賠償責任を負う。

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