地震保険の損害認定が「低すぎる(過小評価されている)」と感じた場合、保険会社の判定をそのまま受け入れず、適切な手順を踏むことで正当な保険金を受け取れる可能性があります。主婦の方にもわかりやすく、具体的な対処法と裁判での事例を解説します。
1. 損害認定が低いと感じた時の4つの対処法
保険会社の調査員(鑑定人)は、短時間の目視だけで判定を済ませてしまうことがありますが、以下の行動をとることが重要です。
調査には必ず立ち会い、説明を求める調査の際は人任せにせず、加入者本人が立ち会ってください 1。調査が始まる前に「どのような基準で、どこをどう計算するのか」を質問し、納得いくまで説明を求めましょう 。
「お電話」ではなく「書面」で報告をもらう判定結果は電話で「一部損でした」と伝えられることが多いですが、必ず「調査結果報告書」を書面で提出するよう求めてください。これがないと、どこが見落とされたのか後で確認することができません。
専門家に「再調査」を依頼する保険会社の調査員は保険会社から派遣されているため、どうしても支払いを抑える方向に働きがちです 。地震保険に詳しい外部専門家に依頼し、専用の定規(クラックスケール)を使って、ひび割れの幅などをミリ単位で詳しく測ってもらうことが非常に有効です。
マンションなら「管理組合」で協力するマンションの場合、エントランスや廊下などの「共用部分」の判定結果が、各お部屋(専有部分)の判定にもそのまま使われます。住民同士で被害状況を共有し、組合全体で適正な調査を求めることが大切です。
2. 実際に判定が覆った裁判・事例
「一部損(お見舞金程度)」とされていたものが、裁判や再調査で「半損」や「全損」となり、保険金が10倍〜20倍に増えた事例がいくつもあります。
【熊本・大分のマンション事例】1,050万円 → 1億500万円(10倍!)
保険会社は当初、ひび割れが小さいとして「一部損」と判定しました 。しかし、一級建築士が詳しく再調査したところ、「1mm以上のひび割れ」が重要な箇所に見つかりました 。裁判所は保険会社の「非公開の基準表」を根拠に、これは「半損」にあたると判断し、支払額が10倍に増額されました。
【福島・仙台の住宅事例】50万円 → 1,000万円(20倍!)
2021年の地震で、保険会社が「一部損(50万円)」とした判定に対し、裁判所は「過小評価である」と認め、「全損(1,000万円)」の支払いを命じました 。
【東日本大震災・仙台のマンション事例】500万円 → 5,000万円(10倍!)
当初は目視の簡単な調査で「一部損」とされていましたが、専門家がタイルの下まで詳しく調べたところ、柱に大きな被害が見つかり「半損」に訂正されました
。
3. なぜ判定が覆るのか?(透明性の問題)
これまで保険会社は、損害を判定するための詳しい数値(ひび割れが何ミリなら何点、といった基準)を一般には隠していました 。これを「非公開基準表」と呼びます 。
近年の裁判では、この隠されていたルール(基準)」をオープンにして、それに照らして正しく判定しなさいという判断が示されています 。これにより、被災者が「このひび割れは1mm以上あるから、ルール通りならもっと高い判定になるはずだ」と反論できる道が開かれたのです。
もし判定に納得がいかない場合は、「専門知識がないから」と諦めず、まずは調査報告書を取り寄せ、専門家に相談することをおすすめします
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