熊本地震の一部損判定を全損に覆した裁判
東京地裁2023年5月11日
【概要】
2016年熊本地震で被災した大分県別府市のマンションの被害について、損保ジャパンが「一部損」(保険金1050万円)と判定していたところ、東京地裁は「半損」と認定し、1億5000万円の支払いを命じた。
【ポイント】
非公開基準表の存在が争点となり、保険会社の判断基準が透明化される画期的な判決となった。
福島県沖地震の一部損判定を全損に覆した裁判
東京地裁 2023年5月10日
【概要】
2021年福島県沖地震で被災した仙台市泉区の住宅の被害について、東京海上日動火災保険が「一部損」(保険金50万円)と判定していたところ、東京地裁は「全損」(保険金1000万円)と認定し、支払額の倍増を命じた。
【ポイント】
保険会社の過小評価が認められ、被災者の実情に沿った算定基準の重要性が示された。
東日本大震災における地震免責条項の解釈に関する裁判
東京地裁 2021年3月24日
【概要】
3.11東日本大震災で被災した都内マンションの住民が、上階からの水漏れ被害について、東京海上日動火災保険に対し保険金の支払いを請求したところ、同社は地震免責条項を盾に支払いを拒否していた。しかし、東京地裁は地震免責条項の解釈を限定的に示し、同社に約117万円の支払いを命じた。
【ポイント】
地震免責条項の適用範囲が争点となり、被災者にとってより公平な保険金支払いの基準が示された。
地震保険の加入義務に関する裁判
最高裁判所 2020年1月28日
【概要】
火災保険契約者に地震保険の加入義務を負わせた保険会社の行為が、違法かどうか争われた裁判。最高裁判所は、保険会社側に加入義務を負わせる義務はないと判断し、加入意思決定における情報提供の重要性を示唆した。
【ポイント】
地震保険の加入に関する双方の権利義務関係が明確化された。
熊本地震における不同意解約に関する裁判
福岡地裁 2018年3月20日
事件番号:平成28年(ワ)第1111号
【概要】
熊本地震で被災した建物の所有者が、地震保険金の支払いを請求したところ、保険会社が不同意解約を通知していた。福岡地裁は、保険会社の解約理由を不当とし、解約の無効を宣言した。
【ポイント】
被災者保護の観点から、保険会社の解約権限が制限的に解釈された。
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